賃貸オフィスのトラブル②(退去編)
入居編でもお伝えした通り、賃貸借契約に関する知識不足などで退去する際にもトラブルに遭遇することがあります。
今回は、事前に知っておきたい退去時に起こりやすいトラブルをご紹介していきます。
退去時に起こりやすい2つのトラブル
○敷金(保証金)が返還されない
退去時に特に起こりやすいトラブルはお金に関する問題です。
皆さんも住宅を賃貸する際に起こったことがあるトラブルかもしれません。
それが、敷金(保証金)が返還されないというケースです。
敷金というのは、借主が家賃を滞納した場合や借主の過失で損害が発生した際に備え、貸主が預かるお金のことを言います。
居住用と事業用は異なりますが、リフォーム代などに使用されるお金ではないので、リフォーム代やクリーニング代を請求された際には、敷金返還請求を行わなければいけません。
こういった請求ではなく、ただ単に敷金が返金されないというときには、不動産会社と相談しましょう。それでも難しい場合は、弁護士などにも相談するのもひとつの方法です。
また、賃貸借契約書には「あらかじめ敷金のうち一定額を返還しない」という旨の特約があることがあります。
これを「敷引特約」と言います。
賃貸借契約の敷引特約は「敷引金の額が高額すぎる場合で、賃料が相場より大幅に低額であるなど特段の事情がない限り、無効と解するのが相当」とあります。
オフィスを借りる際には、賃貸借契約をする段階から敷金の返還について、どのような決まりになっているか確認しておくことが大切です。
○原状回復の費用
原状回復義務とは、賃貸借契約が終了するまでの間に不動産に施したさまざまな変更を元に戻す義務のことを言います。
オフィスを借りる人によって賃貸の使用方法や原状回復工事が異なるため、原状回復にかかる費用は、基本的に借主が全額負担することになります。
経年劣化や通常損耗等もすべて借主負担となります。
原状回復を依頼する業者などによっては、工事費用が高額になる場合もあるので事前にどのくらいかかるのか確認しておき、工事が始まってからトラブルになるようなことは避けましょう。
さらに、契約期間中に工事が終わらず新たに入居する方とのトラブルが起こる場合も。
賃貸オフィスは住居とは異なり、契約期間中に工事を終わらせておかなければならない場合もあるため、契約期間の終了までの2週間前には退去しなければなりません。
もし工事が終わらなければ、明け渡しがスムーズにいかずトラブルになってしまいます。
また、原状回復工事が終わるまでの賃料は借主が負担することになるので注意しましょう。
今回は、賃貸オフィスの退去時に起こりがちなトラブルをご紹介しました。
退去時は入居時に比べてトラブルの種類は少ないですが、金銭面のトラブルが起こりやすいです。
そのため、敷金や原状回復のルールを知っておくことで、トラブルを避けることができると言えます。
スムーズに退去できるように、ご紹介した2つのトラブルを参考にしてみてはいかがでしょうか。